
ECHIZEN GAKI
越前セラミカ / 2024
ディレクション TSUGI llc.
制作 越前セラミカ
プロダクトデザイン 高橋孝治
写真 水上晃一 、p9 岡篤郎、p10 高橋孝治















越前瓦の原料や原料処理、成型、焼成技術を生かしたテーブルウェア。唯一作図し制作した口金を真空土練機にセットし押し出される土板を異なる長さに切り分け、同じ断面形状をもつ5型を成型。
越前瓦は凍害に耐えるため国内の瓦の中で最も焼き締まり、吸水率が低い。器に転用し電子レンジやオーブン、食洗乾燥機にそのまま対応可能となった。越前セラミカの精土工場では、土搬入業者に向け「越前瓦の品質向上は常に原土に左右されるもので原土の搬入については常に細心の注意を願い、(省略)」と看板を掲げている。原土から粒度の大きな砂利を除き灰を混ぜるだけのシンプルな原料処理ゆえ。看板を見た時、地元の土の味と瓦の成型・焼成精度を生かした量産のやきものがつくれると思った。やきものらしい土味、焼き味や個体差は特に量産品については複雑化した商流によって売りにくいものとして扱われ、個体差の出ない調合された粘土や均一の佇まいのやきものが多く出回ることになった。しかしながら、越前瓦の土づくりはおおらかで本来の焼き物らしさを備えていてアイデアの中心になる。