「母体にいる時からスープに包まれている。」本展のディレクターであり、スープを生涯のテーマとする遠山夏未さんのまなざしに応じて、自然と器と人の関係について、一つのアイデアをかたちにしました。アイデアを深めるべく、夏未さんをはじめ、参加作家の方々とも対話を重ねる機会をいただきました。そして、仲間たちとの張り合いも健在。人として生を授かったことを讃え合える、そんな展覧会に参加しています。ぜひご覧くださいませ。
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21_21 DESIGN SIGHTでは、2026年3月27日より企画展「スープはいのち」を開催します。本展では、衣服や住まいという身体の外側の環境と、食という内側の環境を「身体を包む行為」として捉えてきたデザイナー・遠山夏未をディレクターに迎え、スープを入り口に、衣食住の根源をあらためて見つめ直します。スープは、水と食材を火にかけるという最小の行為から生まれますが、その一杯には、素材に宿る力、熱の移ろい、土地の歴史、身体の感覚、器や食空間の静かな佇まいといった、多様な層が同時に息づいています。外側の世界と内側の世界がひとつに溶け合い、小さな器のなかに"生きる環境そのもの"が立ち上がる——こうした構造を、衣食住を支える「包まれる身体」という共通の原理をもっとも素直にあらわすものと遠山はとらえます。現代の暮らしは便利さが進む一方で、その背景にある仕組みや環境は複雑さを増し、衣食住を支える原初的な感覚が遠ざかりつつあります。本展では、水や塩、野菜などの素材が放つ物質としての気配、熱とともに変化するさま、器や空間との呼応、匙に託された"食べる"という所作の繊細な動き、さらには記憶や香りといった目に見えにくい層を手がかりに、生活をかたちづくる環境を"包む"という視点からとらえ直します。抽象的な構造としての衣食住と、人間の身体に残る野生的な感覚。そのあいだに潜むデザインの働きを静かに浮かび上がらせていきます。こうした眼差しは、21_21 DESIGN SIGHTが大切にしてきた「日常の中からデザインを考える」という姿勢とも深く通じています。スープという最小の食をきっかけとして、身体や環境、記憶や時間が折り重なるなかで、来場者の方々が五感を通して新しい視点や気づきを見出し、衣食住の根源に触れる体験につながる場となることを願っております。
企画展 「スープはいのち」
会期 2026年3月27日(金)- 8月9日(日)
会場 21_21 DESIGN SIGHTギャラリー1&2
休館日 火曜日(5月5日は開館)
開館時間 10:00 - 19:00(入場は18:30まで)
入場料 一般1,600 円、大学生800 円、高校生 500 円、中学生以下無料
主催 21_21 DESIGN SIGHT、公益財団法人 三宅一生デザイン文化財団
後援 文化庁、経済産業省、港区教育委員会
特別協賛 三井不動産株式会社
協賛 株式会社三宅デザイン事務所、株式会社イッセイミヤケ
展覧会ディレクター 遠山夏未
アートディレクター 田中義久
グラフィックデザイン centre Inc.
会場構成 常山未央+能作文徳
音響設計 岡 篤郎
テキスト 保田園佳
企画協力 小池一子
参加作家 
和泉 侃、ISSEY MIYAKE、veig、岡 篤郎、岡本憲昭、加藤奈摘、 佐藤政人、志鎌康平、関口涼子、高橋孝治、田中義久、津田 直、常山未央+能作文徳、遠山夏未、長尾智子、二階堂明弘、NOTA&design(加藤駿介、加藤佳世子)、野村友里、林 響太朗、UMA/design farm(原田祐馬、津田祐果)、山フーズ(小桧山聡子)
レシピ出展 遠山夏未、長尾智子、野村友里、船越雅代、細川亜衣、山フーズ(小桧山聡子)
テキスト出展 有元利彦、今道友信、LTshop(松田沙織)、小池一子、早川茉莉、丸元淑生
21_21 DESIGN SIGHT ディレクター 佐藤 卓、深澤直人
アソシエイトディレクター 川上典李子
プログラム・マネージャー 中洞貴子
プログラム・オフィサー 安田萌音

https://www.2121designsight.jp/