ちかつの窯
常滑市社会福祉協議会 / 2024

設計 水野太史建築設計事務所
施工 マルタケ
ロゴ&イラスト 増田光
焼ドーナツ 監修 前田寛(食堂ひとつむぎ)
福笑いプレート制作 TOKONAMESTORE / ワークセンターかじま 
野焼ドーナツ制作 鯉江明 / ワークセンターかじま
什器・家具制作 谷本和也(TOALHANT)
焼き菓子指導 水谷忠嗣(カレット洋菓子店)
造園 渡辺潤(深緑庭園/mos green)
WEB 河合秀尚(Design IROHA)
写真  河合秀尚(Design IROHA)
クリエイティブディレクション 高橋孝治

常滑市社会福祉協議会が運営する就労支援施設の園庭に、焼ドーナツカフェ「ちかつの窯」をつくるプロジェクト。カフェが建つ敷地にある福祉施設でつくる製品を展示・販売すること。それが売れて利用者の日々の仕事になること。僕らは割と自由に自分の仕事が選べる。夢を追いかける人もいれば着実に稼ぎたい人。得意なことを活かしたり。でも障がいのある人たちが選べる仕事の選択肢はとても少ない。自分の得意なこと関心のあることに出会えない人もいるかもしれない。住む地域で入所した福祉施設のメニューから選ぶことに。雇用契約を結ばないケース、就労継続支援施設B型の利用者だと月の工賃が15000〜20000円くらいが全国平均だったと思う。比較的素早く仕事をこなせる利用者は稼げる仕事をすれば良いけどそうでない人も生き生きと取り組む仕事の選択肢を増やしたい。つくったものをまちで使っている人にも遭遇したい。買ってくれるお客さんの姿も目撃したい。そんなものづくりの喜び仕事の喜びを分かち合いたい。福祉と地域の関わりをつくりたい。「仲間」が欲しい。利用者が僕に言いました。お金じゃなくて時間じゃなくて。よくよく考えるとその利用者は余暇時間で家族以外に仲間がいなくひとりぼっちだった。家やグループホームと福祉施設の往復が利用者のルーチーンだと、あまりにも地域も世間も狭い。いろんな人と関わりながら暮らしたい。でもいきなりは地域の人ともお互い交わりにくいので、福祉施設の園庭に誰でも利用できるカフェをつくる。「窯」は土などを焼きかためる構造物という意味と、「仲間」という意味が元々あることが施設長より共有された。一緒に色々なプロジェクトに取り組んでいる地域の仲間と、ワークセンターかじまの桜庭さんはじめとしたスタッフの皆さん、利用者の皆さん、福祉での実績のない私に仕事を依頼し続けてくれた、常滑市社協の前事務局長の山下さんと共に。